2012年9月1日

ニキータさん(1)

今回はバーレスクのご紹介です。

ロサンゼルス在住の日本人バーレスクダンサー、
ニキータさん(ニキータ・ビッチ・プロジェクト)に
いろいろお話を聞いてきました!


「バーレスクって何?」という人も多いかと思いますので
まずはウィキペディアから引用↓

バーレスク(英語および仏語:Burlesque)とは 第一義的にはシェイクスピア等先行する文芸作品をパロディ化した茶番であり、一般的には、性的な笑い(艶笑、軽い下ネタの類い)のコントや、ヌードに至らない女性のお色気を強調した踊りを含めたショーのこと。

私が初めてバーレスクを見たのは今年の3月でした。
ショーのおもしろさはもちろんのこと、
ダンサーさんたちのプロフェッショナリズム
パフォーマンスの完成度の高さ
「ショーを楽しむぞ!」というお客さんの姿勢
が素晴らしくて、すっかりファンになってしまいました。

ニキータさんとのおしゃべりから、
バーレスクの何たるかを少しでも感じてもらえればうれしいです。
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日本にはバーレスクだけ見せるシアターはありますか?
バーレスクだけを見せる場所はないと思いますが、バーレスクショー自体は増えてきてるみたいです。ちなみに日本でのイベント情報は、私も参加させていただいてるBAPS JAPON(http://www.bapsjapon.com/callender/index.html) でチェックできますよ。

私がニキータさんのショーを見たクラブ(ロサンゼルス)は、何人くらい入れるところでしたっけ?
立ち見も入れれば80人くらいですね。

私はバーレスクの魅力の1つは、あまり広くないところで間近にダンサーさんが見られるところだと思います。
毎年ラスベガスで世界一のバーレスクパフォーマーを決めるコンペがあるんです。そこではホテルについてる広いショールームで見せるんですが、そういう場所でやるには、それだけのテクニックとステージ上の存在感が絶対に必要ですね。それなりの見せ方を考えないと。だから、そこでは大掛かりなセットやプロップ(小道具)を使ってやる人が多いです。
 コメディ色の強い人からダンス中心の人まで、ダンサーさんによって芸風がいろいろ違いますね。
ストリップとバーレスクの違いは、「観客の求めるもの」だと言われたことがあります。これは本当にその通り。私が今たまたま好きでやってるバーレスクのスタイルがストーリーテリング(物語調)で、1つのストーリーを舞台の上で語りつつ、基本的にはくだらないっていう。

ストーリーテリングっていうスタイルがあるということ?
ジャンルが明確にあるわけじゃないんですが、そういうのをやる人もいるし、もっとクラシックでエレガントなのをやる人もいます。それはそれでものすごいテクニックが必要です。そういうのもファンとして見るのは好きだけど、私はすごくバカバカしいことを思い切りやりたいっていう衝動がいつもあるんです。

エロスって、突き詰めていくと結構くだらなくて、笑える。エロ本とかエロビデオも、「悦び」に至るまでの試行錯誤が愛しいし、笑える。だから私は「セクシーでしょ?」「エロいでしょ?」っていうのも、それはそれで1個のエンターテインメントだと思うけど、そこを思い切りやったらすごくくだらないっていうのをやりたい。

バーレスクはパフォーマンスアートですね。
見た後に「人生万歳!」と思って、大笑いして帰ってもらいたい。もちろん笑わせるだけじゃなくて、盛り上げることも大事だし、どうやって見せるかも大事。色んな体があるし。

アメリカには色んな人種が集まってるから、色んな体が見られるのもおもしろいですね。
その人が考えるセクシーさを、それぞれみんな真剣に表現してます。

むちっとした人がボンデージ系のコルセットを脱いだあと、肌に赤く痕が残ってたりするのとか、いいですね。
私は、太ももなんかに肉が波打ってて、セルライトが揺れてるのを見ると「肉は財産だな」と思います。(笑)そういう人を見ると握手したくなっちゃう。

日本のバーレスクではどこまで脱いでOKなんですか?
基本はアメリカと同じで、Gストリングとペイスティーズまでです。(※ペイスティーズについてはまた後ほど)でも、日本ではバーレスクという言葉が一人歩きしちゃってるところがあって、バーレスクと言えば「セクシーな女の子がコルセットとか羽の頭飾りなんかを着けて、椅子を使ってかっこよく踊るダンス中心のもの」みたいなイメージが定着してるみたい。だから、脱ぐとお客さんがびっくりしちゃうこともあるらしいです。

じゃあ、乳首に着けるフサフサを振り回したりは、日本ではしないんですか?
アメリカでは、それを見ないと気が済まないくらい当たり前のものですけど、日本ではびっくりされることもあるらしいです。バーレスクを見慣れてる人は喜んでくれますけどね。

日本でバーレスクを見に来るお客さんは、どんな人が多いですか?
やっぱり長年バーレスクを見てきた常連さんが多いと聞きます。
私が今やってるスタイルは一人芝居とかコントに近いから話の設定によって衣装を変えるんですが、日本のお客さんは、ゴージャスでエレガントな衣装を期待してると思います。そこからの方が入り込みやすい。いきなり私の芸を見せたら「これは何なの?」って、ちょっと戸惑っちゃうと思う。
だから、日本のバーレスクパフォーマーはみんな、割とクラシック寄りです。ファン(扇子)を使って、1950年代風のクラシックなドレスとか毛皮とか着て。

アメリカのバーレスクを日本人のお客さんにもぜひ見てほしいですね。
好きか嫌いかは見る人が決めるわけですが、私がこんなに面白いと思ってるんだから、見たら好きになってくれる人がいるんじゃないかなって期待してます。

絶対みんな好きになります。バーレスクはサイレントアクトだから、世界中どこでやっても通じますよね。私の夫やマギー司郎さんのようにしゃべり倒す芸と違って(笑)
注:ニキータさんも私もマギー司郎さんの大ファンです!
マギーさんがマジックキャッスルに来た時は、どうしてたんですか?

緒川集人さんが見事に通訳してましたよ。「これは代々木駅北口の山田ベーカリーのナントカさんにウケたネタでね」とか、まったくいつも通りにやってました。大ウケでした。マギーさんの存在感には、本当にホレボレしましたよ。

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では、続きはまた次回!

ニキータさんのサイトはこちらです。
http://whoisnikita.com/
※Google ChromeかSafariじゃないとちゃんと表示されないかも、とのことです。